骨が衰える
高齢化に伴い、骨粗しょう症は避けては通れない道です。
女性の方が平均寿命が長く、閉経後の骨量の減少もあり、女性の高齢者の方に多く見られます。
※女性ホルモンのエストロゲンには破骨細胞(はこつさいぼう)を抑える働きがあります。
閉経により女性ホルモンが減ると、骨の破壊ばかりが進み、骨密度が急激に低下します。
特に60代半ばを過ぎから、いつ大腿骨頚部骨折を起こしてもおかしくない状態です。
骨粗しょう症とは、簡単に言えば、骨が弱くなる病気です。
発症の原因は、骨の新陳代謝異常によるものです。骨には、作る細胞と溶かす細胞の両方があります。
正常な骨では作られるペースと壊されるペースが同じ割合の為、骨の強さ・厚さは一定に保たれています。
ところが、骨の細胞の働きに影響する変化が起きると、この二つの細胞の働きにアンバランスが生じ、
骨が柔らかくなってしまいます。
骨粗しょう症は、悪性の病気ではなく、生命を直接左右するような病気でもありませんが、
一番怖いのは、骨折してしまうことです。
大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)
年間10〜12万人の方が、大腿骨頸部骨折になっております。
大たい骨の付け根が骨折して歩けなくなりますので、それをきっかけに、寝たきり〜要介護〜痴呆
となっていく確率が高くなります。
また大腿骨頸部骨折が完治するまでの1回あたりの治療費は200万円程度かかるとされています。
背骨の圧迫骨折(せぼねのあっぱくこっせつ)
背骨の圧迫骨折は背中が痛い症状を伴い、そのままにしておくと背骨が圧迫された状態で
骨がくっついて背骨が曲がってしまいます。入院等も含み、30万円ほどの費用がかかるとされております。
またリハビリ通院の長さで、そのあとの費用が異なってきます。
中には、120万円ほどの費用がかかる手術方法もあるようですので、注意が必要ですね。
手首の骨折(てくびのこっせつ)
転倒して手を着いた時に衝撃で骨折し、その結果歩くのが怖くなり運動機能の衰えるきっかけになります。
若いときには、1ヶ月程度で治りますが、高齢者の場合には、1ヶ月半ほどの期間が必要になります。
骨を活性化させる薬などが出てきていますが、高齢者は回復力が衰えているので骨が元通りになるにも
時間がかかります。手術費用も、入院込で10〜15万円程度かかるようです。
骨粗しょう症の予防法
筋肉や骨は、何もしないとすぐに衰えていきます。
筋トレやスイミングなどで鍛え続けると、その機能を維持、回復することができます。
筋肉や骨を鍛える、機能を維持するには薬などに頼るよりも食事や運動が効果的です。
太陽の光を浴びて、ビタミンDを作り出すことも大切です。
週に2回程度、5〜30分間、顔・手足・背中への日光浴で十分に体内で形成することができます。
・太陽の下で、いつもより大きめの歩幅で散歩する(早歩きの負荷がちょうど良いです。)
・直線上を歩く(バランス感覚も養えます。)
・背筋を伸ばして歩く(姿勢に気をつけることで、より効果的になります。)
上記は、骨粗しょう症の予防やお尻や足腰の筋力維持に非常に有効的な方法です。
運動をすることが、骨芽細胞(こつがさいぼう)を活性化させ、骨を作ると考えられています。
筋肉が弱り、運動ができなくなると、骨芽細胞(こつがさいぼう)が刺激されず、骨密度が低下します。
筋肉量が急に減ってくる50代〜60代の時期に筋肉を落とさないように運動することが大切になります。
65歳以上の高齢者が、健康的な生活をするためには、1日約8000歩も歩く必要があります。
しかし主婦が掃除や洗濯などで家の中を動き回っていても、その歩数は約4000歩ほどにしかなりません。
ということは、明らかに運動不足だということです。だからこそ、意識して歩くということが大切になります。
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